講師になったきっかけ
何事も飛び込んでみないと分からない!そんなスタートでした。「マナー講師」をした経験は、今の英語教育、キャリアカウンセリングにも活かされています。
いろんな職業を経験して、2020年までは「マナー講師」という肩書で活動していました。
講師を始めたのは2007年。専門学校で客室乗務員になりたい学生たちに社会人としてのマナー、仕事の楽しさを教えていました。専門学校で働く前も客室乗務員だった経験でマナー指導をすることもありましたが、「伝える」ことに何か物足りなさを感じていました。新しい発見を求めて先輩が所属していたマナーセミナーに参加。そこから「ちょうど講師を探していたから、働いてみない?」という一言でマナースクール所属のマナー講師となりました。
まだ経験の浅かった私は先輩の秘書・営業がメイン。アポイントを取る、営業する、研修のテキスト作成、校正、研修同行、研修アシスタント・・・。専門学校と並行しながらなんだか目まぐるしく毎日が過ぎて、約1年ほどが経ち、やっと講師デビュー。
講師撃沈
1回目の研修は、このマナースクールが定期的に行っていた女性向けマナー研修。私よりも年齢が上のバリバリ働く女性がほとんど。女性の多い職場で働いていたため、上下関係のトラウマも思い出し、もうその圧迫感に震えが止まりません。
敬語の話、コミュニケーションの取り方、先輩の今までの研修方法を思い出しながらレジュメ通りに行う。思ったように進まず時間がない。質問に対応していたら時間がなくなる・・・。
私が最初の研修で失敗したのが時間配分でした。あれだけ最後に何をしたか振り返るように言われていたのにまとめの時間を設けられず自宅に帰り号泣、圧迫感にも恐怖。
もう泣きながら受講生の方々のフィードバックを読みました。優しく応援するコメントばかりでしたが、それは講師としてはうれしい反面、できていないという非常に情けないこと。
ここから修業が始まりました。
2019年まで年間登壇回数は学校の授業を除いて60回以上。回数を重ねれば慣れる・・・とは言っても最初の1年間は失敗を引きずり、前日は眠れないこともありました。
修業1
1.先輩の研修を書きだす
先輩の研修を録画(録音)し、一言一句書きだしました。どのような言葉を使っているのか、質問に対する対応の仕方、まとめかた、時間配分。
先輩も笑いながら私の書いた講義録を読んでくださり、こんな口癖があるんだねー、あ、ここ改善点だなーと振り返っていたのを覚えています。
2.先輩の真似をして研修してみる
先輩の講義録を真似して読んでみる、暗記する。100%暗記できませんでしたが、話すスピード、声の大きさ、間の取り方、そして言い回しで表現力が豊かになりました。
まずはファーストステップとしてはこの2つ。今だとyoutubeもあるので、身近に教材がたくさんあると思います。
本を読むことも大切ですね。マナー本は私も大量に読みました。
本を読んでも実践できなければ意味がない・・・。同じ本を何度も読み、生活に取り入れていました。
一生読み続けられる本もあれば、時代と共に情報が変わってくるので常に情報更新は大切です。
修業2
1.自分の研修を録画(録音)する
これは今でも恥ずかしいです。英語学習でも重要なので、積極的に行おうとしています。
客観的に自分を見ることで「えー」が多いなど口癖が分かります。恥ずかしさの極みですが、確実にステップアップできます。あとは録画を見ること、無駄な動きが多いことに気づきます。
2.研修フィードバックをしっかり読む
どうしても好意的なフィードバックを読みたくなりますが、低評価だった方のコメントも見てみましょう。新しい考え方が分かると思います。好意的なフィードバックでもよく読むと、ここに疑問を残されたのかな?と感じることもあります。
低評価フィードバックはメンタルがやられてしまうこともあります。早い切り替えも講師として長く続けられるコツかもしれません。
落ち込むこともあったので、メンタルヘルスのセミナーに通ったこともあります。
心について興味を持つことができたので、キャリアカウンセラーの仕事にも役立ちました。
講師に求められること
1.人との縁を大切にする
仕事の依頼がくるのは、最初は人とのつながりからでした。「面白い経験があるなら、そこで学んだことを話してほしい。」不思議とご縁のある人は、あなた自身の長所をしっかり見てくれています。このような依頼がきたら、ぜひ飛び込んでください。感謝の気持ちを伝えることを忘れないでくださいね。
2.相手の話を聴く
「講演を依頼してくださった方は、何を求めて依頼をしてきたのか」
これを明確にしてください。自分の話すことにプライドを持っていて自分のしたいことを譲らない講師もいます。それを否定はしません。
まだ駆け出し講師は必ず依頼者の話を聴いてください。依頼者も「なんでもいいですよ。」と言ってくることもあります。その時は話を聴きに来るであろう人の年代、性別を聞いておくとネタ探しの役に立ちます。
人に興味を持って話を聴きましょう。いろんな人の話を聴くことによって話の幅が広がります。
3.情報アップデートをする
これは講師を長く続けるとぶつかる壁のように感じます。時代はどんどん変わっていきます。今まで対面でのセミナーが普通でしたが、コロナ禍によりオンラインも日常になりました。講師も時代に合わせるのにいっぱいいっぱい。企業の体制も大きく変化していくので、時代に合った講師が求められます。毎日を何気なく過ごすのではなく、「気づき」を持って、社会とのつながりを大切にして講師を目指してほしいと思います。
「縁」によって結ばれた仕事が多かったです。また、口コミでも講師依頼が増えていきました。
人とのつながりには感謝しかありません。
今はオンラインレッスンが増えてきているので、ぜひ自分のスキルを発揮したいという人はココナラからスタートしてもいいかもしれませんね。

講師になりたい方へこれだけは伝えたい
私は 3.情報アップデートをする に乗り遅れた気がします。時代の流れが年々早くなり、価値観も多様化してきました。それにプラスして、情報機器に対応する能力求められます。
youtube、Twitter、インスタグラム、LINEでもっといろんなことに挑戦すればよかった・・・と後悔しています。今はマナー講師としての登壇回数は年に数回になってしまいましたが、新しい職場でたくさんのことを学び時代に追いついていきたいと思っています。